中川菜々(優木せつ菜)を紐解きたい〜スクールアイドル編〜

星空凛ちゃんもジメジメとした気候に嫌気が差すような時期になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。私はエアコンの除湿無しでは夜眠ることもままなりません。

 

さて、今回はタイトルにもあるように中川菜々(芸名:優木せつ菜)を紐解いていこうと思います。

私の解釈・主張を垂れ流すのではなく、本ブログを読んだ人がより中川菜々に詳しくなれることを目指しています。多少解説成分が強くなると思います。そこから各々の解釈を深めていけばいいと思いますが、前提としての理解を助けるブログになれば幸いです。

 

 

 

というのは建前でちょいちょい主張を挟みますし、このブログの存在理由は私自身の解釈を深めることにあります。

「ここおかしくね?」と感じたら連絡ください。解釈は殴り合うことで強く深くなります。

 

目次

 

はじめに

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まず優木せつ菜という人物について軽く説明します。

最初に言っておきたいのが、「優木せつ菜」という名前は芸名であるということです。本名は「中川菜々」。ややこしいですが、「優木せつ菜」は中川菜々にとってのもう一つの人格に過ぎません。

 

次に彼女のプロフィール・理念について説明します。

といっても文で説明するのはアレなので公式サイトの画像見てください。


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彼女の活動の原動力は「大好きを世界中に溢れさせること」

つまり、誰もが自分の「大好き」を邪魔されない世界をつくることにあります。

 

よく意味がわかりません。抽象的過ぎますが、理念というのはこのくらいぼんやりしてるのがちょうど良いのでしょうか。

 

彼女は、現実の世界は自分の大好きを表に出すことが難しい世界だと考えています。しかし、スクールアイドルの世界は誰もが大好きを声高に叫ぶことができる。だから、自分の活動を通してスクールアイドルの魅力を色んな人に伝え、この世界に引きずり込みたいということでしょうか。

 

以降、そんな中川菜々を①スクールアイドルとしての優木せつ菜 ②生徒会長としての中川菜々 の二つの観点から紐解きたいと思います。 

 

 

①スクールアイドルとしての優木せつ菜

1.基本概要

前述の通り、優木せつ菜という名前は中川菜々がスクールアイドルをするための芸名です。

では、なぜ彼女はわざわざ芸名で活動しているのでしょうか。

端的に言うと、「親の目をごまかすため」です。

彼女の家庭は両親の教育が非常に厳しく、学業に専念させるためにアニメ・ゲーム・漫画等の娯楽が禁止されており、勿論スクールアイドルの活動なんてもってのほかでした。

しかし、彼女は高校生になったら絶対にスクールアイドルになりたいと考えていました。そこで生み出されたのが「優木せつ菜」という架空のスクールアイドルです。

 

2.優木せつ菜史

中川菜々は虹ヶ咲学園に進学し、中須かすみ/桜坂しずく/エマ・ヴェルデ/近江彼方と共に5人でスクールアイドル同好会を発足させました。

せつ菜は同好会を作る前から既にソロ活動で頭角を表しており、初期メンバーからは実力・人間性からリーダー的存在として扱われ、また同様に尊敬されており、彼女は同好会を引っ張る存在でした。

その情熱と行動力から中須かすみからは「可愛いダンプカー」と評され、情熱からか練習の中で軽い軋轢が生じることもありましたが、基本的には円満な人間関係が形成されていました。


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しかし、その関係は部活動発表会(初めてグループとしてステージに出る予定だった)の時に一旦終わりを迎えました。

5人の個性が強すぎるあまりステージでやりたいことが一致せず、結局発表会に出ることができなくなり、それがきっかけとなって次第にメンバーが顔を出さなくなり、同好会は空中分解しました(実際はそこまで深刻な問題ではなかった)。


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せつ菜はこの出来事について、自分の責任を強く感じていました。「周りを見ずに、自分の大好きを仲間に押し付け過ぎた」と。

これに関しては後述の②生徒会長としての中川菜々 で掘り下げたいと思います。

 

その後「あなた」と中須かすみの尽力により、同好会は新たに上原歩夢、宮下愛、天王寺璃奈、朝香果林の4人を加えて9人で再始動することになり、前回の反省により個性を活かすためにソロ活動を主軸とすることになります。

 

その後なんやかんやあり、せつ菜たち同好会メンバーは1stソロライブを行うことになりました。

せつ菜は「仲間と出会った見つけた新しい"優木せつ菜"をファンに見せたい」と意気込み、居残り練習をして誰よりも気合いを入れていました。

 

しかし、ライブ本番当日。約束の時間に優木せつ菜の姿はありませんでした。

 

幸い、間に合うか否かのギリギリのタイミングでせつ菜が到着し、何とか無事に1stライブを終えることができました。

せつ菜が遅刻した理由。それは「親との喧嘩」だったのです。

 

1stライブが行われる前に三船栞子(後述)との争いに敗れた中川菜々は、生徒会長の座を失ってしまいました。(②にて掘り下げ)

生徒会長でなくなった彼女は、外出したり遅くまで学校に残る口実が無くなり、スクールアイドルの活動を誤魔化せなくなった(後述)ので、親に生徒会長を降ろされたことを報告する際に、正直に自身のスクールアイドル活動についても明かしました。話し合いで認めてもらおうとしたのです。

しかし、現実はそんなに甘くありませんでした。親の猛反発を受けます。

1stライブ当日の朝も、「優木せつ菜」になろうとする中川菜々と親の間で口論が巻き起こり、強引に外出した結果、開演ギリギリの到着となったのです。

 

その後、1stライブは無事に成功したものの、菜々と親の関係は悪化の一途を辿ります。

何度も何度も話し合いを重ねましたが、菜々の言葉は親に届かず、「スクールアイドルなんてやってるから生徒会長を降ろされたんだ」といった言葉が彼女の堪忍袋の尾を切り裂き、「私にも譲れないものがある」と家出を決行しました。「何度話し合いをすればいい?」と話し合いを放棄する結果となったのです。

 

家出の結果、エマやかすみの家などを転々とする生活をしている菜々でしたが、「あなた」の家に泊まった際に「あなた」によって問題の核心に迫る指摘を受けます。


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菜々は、あくまで論理的な説明で親を説得しようとしていました。これまでそういう環境で育ってきたからです。

 

前に軽く触れましたが、菜々の家庭では彼女が大好きなアニメやゲームが禁止されていました。

「大好きを世界中に溢れさせる」ことを目標とするスクールアイドル「優木せつ菜」自身に、自分の「大好き」を堂々と大好きだと言える環境が無かったのです。

だからこそ、そんな境遇にいる人の気持ちが痛いくらい分かるからこそ、彼女はそんな人たちに手を差し伸べようとしたのでしょう。

 

しかし、ここに問題の本質があります。

ある誰かが優木せつ菜によって「大好き」を言える環境を与えられ、救われたとしても、「中川菜々」は誰が救えばいいのでしょうか?

優木せつ菜は、中川菜々を見殺しにしていました。親に「大好き」を伝えたことがなかったのです。

「自分自身が"大好き"を言えないのに、どうして他人に"大好き"を教えられるのか」

このような矛盾を抱えていた菜々を「あなた」は見抜き、直接感情を伝えるように提案するのでした。

「あなた」の言葉を受けて考えを180度変えた菜々。今まで逃げていた「親に愛情・情熱を真っ直ぐに伝える」ことを決意し、2ndソロライブで私のステージを直接見て欲しいと伝え、家出をやめて親の元へ帰りました。

 

そして、迎えた2ndソロライブ。菜々の心配とは裏腹に、親もライブを観に来てくれました。

そして、このライブが描かれる絆エピソードをクリアすると、ゲーム内で優木せつ菜の2nd single「MELODY」が解禁されます。

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この曲はこの絆エピソードが出る前から公開されており、歌詞の意味や歌詞中の「あなた」などの言葉の対象について侃侃諤諤とした議論が行われていました。


誰よりも味方でいてほしいあなたへ
心の奥まで届きますように
今日も信じて歌うよ!

「なんで私のことわかってくれないんだろう?」
言葉にして初めて分かり合える

 

しかし、絆エピソードの内容、MELODY解禁のタイミングから、「MELODYは優木せつ菜が親に向けて、自分の決意を歌った歌」であると解するのが相当であるというのが現在では主流な学説となっています。

MELODYという曲は絆エピソードを読む前後で印象が大きく変わる曲ですが、絆エピソードを読んだ後に改めて歌詞を眺めると、せつ菜の苦悩からの脱却、決意の表れが読み取れます。

 

余談だけど、優木せつ菜のシングル曲のタイトルが「CHASE!」「MELODY」と2曲とも大文字のローマ字なのがかなり解釈一致で、彼女のパッションが感じられて好き(大文字は叫んでいるという意味があるので)

 

かくして、親に直接自分の「大好き」をぶつけた菜々。

まっすぐな想いは、彼女の親を動かしました。

そこには、ノリノリでステージ上の優木せつ菜を応援する親の姿があったのです。

ステージ上のせつ菜が見せる輝く笑顔は、それまで親が家で一度も見たことがない表情でした。

菜々が絶対に譲れない、守りたいものが伝わったのです。

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ライブ終了後、すぐに菜々へ親からメールが届きます。

それは、菜々のスクールアイドルを認める、つまり、彼女の大好きを認めるという内容でした。

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この親のメールを読む時の菜々の声が涙で震えていて、思わずこちらまで揺さぶられてしまいました。見たことない人は必ず見てください。

 

 

こうして自分の抱える矛盾を乗り越え、親に自分の大好きを伝えることができた中川菜々。

彼女の顔からは一切の曇りが無くなり、自分の想いを込めた歌をどこまでも届けていこうと決意するのでした。

 

と、ここまでが現時点でわかっている、優木せつ菜のスクールアイドル史です。

次に、優木せつ菜の「スクールアイドル論」を考えていきます。

 

3.スクールアイドル論

誰よりもスクールアイドルへの想いが強い優木せつ菜。1stライブ直前に居残り練習をしていた際に、実力も完成度も十分なのになぜまだ練習するの?という朝香果林からの問いにこのように答えました。

 

「私は自分で着地点を決めずに、"優木せつ菜"というスクールアイドルとギリギリまで向き合いたい。もっとレベルの高い新しい自分になりたい」

 

これは面白い点がいくつかあると思いました。

なかでも「優木せつ菜というスクールアイドル」という発言は、彼女が優木せつ菜を「スクールアイドルとしてのもう一つの自分の人格」として捉えていることがわかります。

中川菜々は非常に器用な人物であり、「スクールアイドルとしての自分」「生徒会長としての自分」の人格を口調・雰囲気も変えて完璧に使い分けています。

このことは「中川菜々」を紐解く上でかなり重要な要素になると思うのでまた後日詳しくブログを書きます。

 

すこし脱線しましたが、自分で限界を決めず、常に全盛期であることを追い求めているのが優木せつ菜、なんですよねぇ。(ニチャア

 

 

4.「優木せつ菜」の存在意義について

前述の通り、見事親の理解を勝ち取った中川菜々でしたが、元々「優木せつ菜」という存在は「親に隠れてスクールアイドルをする」ために生み出された存在でした。

ですが晴れて親公認となった後、「優木せつ菜」のアイデンティティはどうなってしまうのでしょうか?

中川菜々が優木せつ菜である必要性はもはや無くなりました。

1stライブ前、彼女はこんなことを言っていました。

 

「私が本当の私で居られるのは、スクールアイドルをしているとき(=優木せつ菜時)だけ」

 

これは、中川菜々の状態では自分の大好きが否定されていたが、優木せつ菜の状態では堂々と大好きを叫べるという状況からの発言だと思いますが、2ndライブ後、中川菜々の状態でも大好きを叫べるようになり、中川菜々も本当の私と言っていいのではないでしょうか。

 

「優木せつ菜」を利用する必要性が無くなった今、彼女が優木せつ菜であることの意義が問われるようになりました(公式は何もここらへんに言及してないけど、されてしかるべきだろ)。

「中川菜々」としてスクールアイドル活動をしてもいいわけです。

しかし、2ndライブ後も彼女は「優木せつ菜」としてスクールアイドルをしています。

彼女は、「優木せつ菜」という人格に一体どんな意味を見出しているのでしょうか。

ここら辺の考察は今後の課題なのですが、公式からの供給が一切ないため、この場では問題提起で留めておきます。

 

おわりに

本来ならこのブログで①スクールアイドルとしての優木せつ菜 ②生徒会長としての中川菜々 の両方について言及するつもりでしたが、想像以上に①が長くなったので一旦ここで終わって次の記事へ移りたいと思います。

本ブログ作成にあたって改めてスクスタのストーリーを読み返したのですが、新たな発見もあってとても有意義なものとなりました。

この記事が少しでも、これを見た人の中川菜々の理解の手助けとなれば幸いです。

 

 

 

嘘です自分の理解が深まったことで既に満足してるので別にどうでもいいです

 

ここまで読んでくれてありがとうございました!!!!!!!!!!!(cv.優木せつ菜)